■2002年8月31日【さいたま市男女共同参画推進協議会の提言に対する意見】
男女共生推進課さま
日頃より、さいたま市の男女平等の推進につきまして、ご尽力いただいていること、市民として感謝申し上げます。さいたま市男女共同参画推進協議会からの提言への意見募集がありましたので、締め切り間際ですが、以下のように意見を送らせていただきます。 添野ふみ子
「男女共同参画基本条例は、協議会の提言を生かして」
提言書を読みました。一市民として、女性として、とても嬉しくなる、期待の持てる内容です。
1.名称について
「You&Me夢」Vol.3に矢澤推進協議会会長が述べられているように「さいたま市男女共同参画まちづくり条例」としてください。条例は、理念だけでなく、実効性ある、効果を発揮できるものでなければ意味がありません。まちづくりという言葉には、市民と行政が共にまちをつくるパートナーシップ、市民参画による自治という内容が表現されています。名称にまちづくりを入れることは、さいたま市の男女平等推進にかける姿勢を明確にします。
2.人権尊重を必ず明記してください。
女性も男性も、人格を持った人間です。女性であることによる差別、男女格差は、現在も厳として存在しています。直接差別もそうですが、間接差別も、男女共同参画を阻んでいます。人として生きる権利をお互いに認め合うことで、男も女も共にこの社会で平等な関係が築いていけます。
3.(当然のことながら)固定的な性別役割分担見直し・解消を明記してください。
女だから、男だからという前に、人間としてどうなのか、という至極当り前の問いがあります。戦前、女性には参政権がありませんでした。一個の社会的人間として、扱われていませんでした。人権ともからみますが。性別役割分担意識によって、女性の生き方が限定されていました。現在も、そうした固定的役割分担意識は、あらゆる生活レベルに存在し、慣行となって、女性の生き方を縛り、能力の発揮を阻んでいます。
また、男性にとっても、付与される男らしさに縛られています。男性も女性も人間として、その人らしさを発揮し、多様な生き方を選択できる社会が誰にとっても好ましいことは、当然です。男はこうあるべきもの(男らしさ)、女はこうあるべきもの(女らしさ)を前提にしての男女共同参画は、共同参画とよべませんし、共同参画には成っていきません。
共同参画は、お互いが平等で対等に認め合わなければ、多様な生き方を認め合わなければ、成りえないからです。固定的性別役割分担意識の見直し・解消と、制度、慣行の見直しは、この条例のポイントですので、ぜひ、提言の趣旨からはずれないようにしてください。
4.積極的是正措置、性別による権利侵害の禁止、苦情の処理は、はずせません。
いずれも、この条例が実効性を保てるかどうかの規定です。さいたま市が本当に、男女共同参画のまちをつくろうとしているのかどうかは、どれだけ条例に実効性が担保されているかにかかっています。
いぜんとして低い、女性の参画状況を変えること。性別による人権侵害、女性への暴力、セクシャルハラスメント、差別的取扱いについて明確に禁止を規定することは、救済のみならず、防止的効果もあります。苦情処理規定は、実際の問題解決のために欠かせない規定です。
5.家庭、学校、地域などへの男女の対等な参画、男女の経済的自立と対等な働き方ができるまちづくりの規定もはずさないでください。
男女が共に対等に、一方が一方に犠牲や上下・主従関係を強いることなく、利益も責任も分かち合えるまちになれば、どれだけこのまちが生き生きしてくることでしょう。
以上、5点について要望意見いたします。
提言書を読ませていただき、協議会の委員の方々、とりわけ起草委員9名の方々のご努力と熱意に市民として、心からの拍手を贈らせていただきます。特に、9名のうち、7名が市民公募委員さんたちであったこと、提言書を見て知りました。
文字通り、市民参画のたまもので、この提言書がつくられたのだと思います。会長の矢澤澄子さんのリーダ-シップと、従来からのご努力もあってのことだと思います。行政、担当セクションの職員の方々もご苦労されたと推察いたします。
この提言書の精神、趣旨、内容が変更されることなく、さいたま市男女共同参画まちづくり条例として、制定されることを願ってやみません。