■2003年5月21日【さいたま市議会選挙後、初の議会。議会運営のあり方を考える】 ▼時間をもっと有効に使いたい議会の運営 選挙後初めての議会がありました。議長、副議長の選挙、議席の決定、6つの常任委員会への議員の所属決定、議会運営委員、監査委員等の選任など、今年一年間の議会活動をしていく上での役割分担を決める議会です。(ちなみに、議長とか、競馬組合や競艇組合、監査委員、農業委員などのポストは会派の大きさ順で割り当てられているので、改選前の大会派はポスト互助会と揶揄されていたそう。無所属の一人会派にはこうしたポストはまわってこない。議場の席順も大会派で古参議員は後部に、新人議員や少数会派、無所属は前の方という慣例がある) 議長選挙がスムーズにいけば、早めに帰れる臨時議会でしたが、そうはいきませんでした。選挙違反で、当選議員から三人も逮捕者が出たことについて議会の態度をどうするのか、をめぐって延々と時間が費やされました。十時に開会し、午後二時前に休憩に入り、再開が夜中の零時五分。そして閉会は午前二時近くでした。(一日間の会期予定が、午前零時を少しでも越えて日付が変わると二日間の会期となり、これに伴う経費もかかってくる!) 十時間もの間、議会で出す決議の案文について各会派間で調整したり、代表者会議や議会運営委員会が断続的に開かれたりしました。こうした動きに直接関与してない議員は、情報を聞いたりして待つのみ。いつ会議が再開されるかわからないので、議会棟を離れられません。職員も同じで、延々と議会の動きに付き合わざるをえません。もっと実務・調整能力をアップして、合理的にできないものかと痛感します。今後の課題です。 ▼議員一人一人の態度を公表することが議会を変えるベース あの激戦だった選挙も終わり、当選した人、落選した人の明暗が分かれました。私は、浦和区でビリでしたが当選できました。本当にありがとうございました。感謝です!草の根で、ボランティアで、クリーンに選挙がたたかえました。応援してくれた人たちや、一票を投じてくれた市民の方たちの期待が生かされるよう、一生懸命に議員活動をしていこうと、思いを新たにしています。 当面は、一人の無所属で議会活動をしていきます。(会派はその後の状況判断)。有権者は議員個人を選んだのであって、会派を選んだわけではありません。一人一人の議員の政治姿勢と責任が、会派の決定に解消されることなく、議員個々人がどのような態度をとったのか、きちんと市民に伝えられる仕組み作りが必要です。私はまず自分自身で納得できて、行動できる立場から議員活動を行い、議会改革していこうと思っています。 ▼選挙違反は候補者だけの問題ではないのでは? 四月一日から政令市になって、選挙は行政区ごとに行われ、一票入れたい候補者がいない、という嘆きも聞こえました。候補者だった私からすると、棄権などもったいない話です。でも、票の取りまとめを金でやりとりするようなことは絶対にしたくない。これは当り前のことだと思うのです。おごってもらったり、贈り物をもらったり、というのは日常生活の親しい人間関係では、当然あることなのですが、ここに票をもらいたいという下心があると、「魚心あれば水心」のごとく、結果として票をお金でやりとりしても、候補者も有権者もさほど疑問を持つことなく過ぎてしまう面があるのではないでしょうか。 確かに、選挙はお金がかかります。かばん(お金)、看板(組織)、地盤(地縁、血縁)がないと当選はおぼつかないと言われています。まして、今回の選挙は、一〇〇人から六四人に定数が減り、尚かつ行政区ごとに定数が五人~十人と少数となり、地域代表的な色合いが濃い選挙でした。私のような組織を持たない、金もない、政策を訴えることに主眼をおいた無所属・市民派にとっては、非常に厳しいものでした。 いわゆる保守系の候補者にとっても、別の意味で(確実な票をいかに積み上げられるか)厳しかったのでしょう。一票に託す意思が民意の反映となるのが、選挙です。私は、投票権は人権と同じくらい、大事な権利だと思っています。(だから投票したい候補者がいないというのは悲劇です) 選挙違反は確かに悪い。候補者がまず第一に責を負うべきですが、それがまかり通っている政治風土も変えないと、同じことの繰り返しになります。あなた任せにしない、自分できちんと考えて責任をもって行動する、こういうことがもっと当り前にならないと、欲得勘定の延長で選挙違反が繰り返されるのでは? ▼議会の決議 三人の逮捕者のうち一人からは議会当日に辞職願いが出されました。逮捕された議員(二人)のすみやかな出処進退を求めた「政治倫理の確立をめざす決議」(案)は全会一致で可決、個人名を出した「辞職を求める決議」(案)は、賛成少数で否決でした。私は、前者は賛成、後者は反対しました。 さいたま市議会には政治倫理規程があり、「議員は政治的又は道義的な責任を問われるような行為をしてはならない。議員がこの規程に反する行為を行った場合は、辞職を勧告することができる」と規定されています。選挙違反で逮捕されたこと自体、不名誉なことです。新聞報道で言われていることが事実であるなら、有権者への責任をとって辞職すべきだと思います。ただ、議会としての決議となると、逮捕=辞職勧告では拙速で、危ういのではないか。議会としての事実確認を行うのが先ではないのか。 警察の捜査と新聞報道を是認するなら、辞職勧告でいいのでしょうが…。どちらにしても、この問題は、逮捕された議員だけの問題ではないと思いますし、政治家と特定企業との癒着、金がらみの政治を変えていくきっかけにしていかなければと思います。それには、やはり政治の透明性を確保すること、行政の説明責任と情報公開を徹底させることが基本でしょう。風通しのいい、誰にでもわかりやすい市政をいかにつくっていくのかにかかってくると思うのです。 ▼人のせいにしないで自分にできることをする 私は、十二年前に浦和市議会議員に当選し、二期八年間議員活動を行い、四年前に落選したのですが、この四年の間に三市が合併し、さいたま市になりました。合併して違う市になると選挙があるのは常識なのですが、合併推進の国の方針で、議員の在任特例というアメがあります。選挙をしないで二年間議員の身分を保証するというものです。ですから、今回の合併後、初の選挙とはいっても、現職の議員の期数は二期目となり、私の場合は一期目になります。なんか変だなと思います。ともあれ、議会に送っていただいたのですから、悔いのない議員活動をするつもりです。 当選後、いろいろな相談や頼みがきました。道路の件が一番多くて、それからマンション問題、介護保険のこと、公園、保健室、学童保育のことなどです。虹の会の市との話し合いにも同席しました。定例議会は、二月、六月、九月、十二月に開かれ、一般質問で市政の状況を質したり、政策提案をします。常任委員会では今年度は、環境・経済委員会に属するので、その関係の市の執行状況について質していくことになります。 一つ一つ真摯に課題を取り上げ、もっと住みよい制度にするには?と頭を悩ませ、動いて結果を出していきたいと思っています。さいたま市で自治が根付いて皆が生きやすい方向に、自分も他人も社会も変わっていく手ごたえを味わいたい、というのが私の望みです。